そこには、君が
「もうすぐ着くらしいよ」
「ん」
大和と2人でパーティーの用意。
凛と京也を迎える準備は万端だ。
「お邪魔しまーす!」
凛の元気な声が聞こえて、
私たちは構える。
「2人とも、おめでと〜!」
私は手に持っていたクラッカーを鳴らすと、
先から飛び出した紙吹雪が、
凛と京也を包んだ。
「準備してくれてたの?」
「当然!今日は盛大に食べてお祝いしよ!」
自分のことのように、
喜びが止まらない。
私は少し恥ずかしそうな2人を座らせ、
グラスに飲み物を注いだ。
「でも京也が告白するとは思わなかったな」
私はサラダを分けながら、
京也を見る。
横にいる凛がすごく笑っていて、
私までニヤニヤした。
「ずっと凛、凛ってうるさかったもんな」
「おーい、大和?それは秘密にしようって、約束だったよね?」
きっと京也の幸せが嬉しい大和。
だってずっと笑って、
京也をいじってる。
「でも本当、私も嬉しい」
「明香ぁ。私、いいのかな…」
凛の気持ちは痛いほど分かる。
大人気の、京也の彼女ともなれば、
明日から周りの目が怖い。
「俺から離れなければいいんじゃない?」
「京也…」
いつの間にか、
お互い呼び捨てになっていて、
知らない間に仲が深まっていることに
ようやく気付いた。
昼間に京也に対して嫉妬もしてたし、
知らない間に凛も気になっていたのかな。
「おやすみ」
今日は4人でお泊まり。
私のベッドで大和と2人、
その下に布団を1組敷いて
京也と凛が寝ることになった。
「そういえば来月クリスマスじゃない?」
京也と凛は、疲れが溜まっていたのか、
電気を消したら速攻で眠りについていた。
私は大和の腕枕で包まれながら、
未来の話をする。
「いつも通りでいいだろ」
いつも通りとは、
きっと私たち4人でのこと。
まあそうなるだろう、と
予想していたが。