そこには、君が
「明香ちゃん、久しぶりじゃないの!」
「あ、あ、あの!大和は…」
「あのばかなら、今コンビニ行ってるよ」
また来ます。
最後まで言えたか分かんないけど、
もうそれどころじゃなくて。
今すぐ大和に会わなくちゃいけない。
早く会って、謝らないと。
私はおぼつかない足取りで、
近くのコンビニまで走った。
「何で出ないのよぉ」
何回も電話するのに、
全然出てくれない。
焦る気持ちを抑えながら、
コンビニにたどり着いた。
けれど、大和らしい人は見つからない。
頭をフル回転させて、考える。
ここにいないなら逆方向のコンビニか。
そう思ったらもう走っていた。
きっと外は寒いんだと思う。
だけどそんなこと気にならないくらい、
慌てていた。
「はぁ…っ、」
息が切れかけた時。
向こうから歩いてくる人影が見えた。
それが大和だと分かった時。
私は恥ずかしいくらい号泣した。
「大和ぉ…っ、いた…」
「は?何してんの、お前。てか、は?」
何事かと慌てふためく大和。
私は会えた安堵感と、
申し訳なさと、もう全ての
感情が溢れ出た。
「怪我、して…るっ」
「あー、これは、色々あって」
「停学のこと、何で言わなかったのよぉ」
「てかお前、本気で頭悪いから」
私の薄着っぷりに呆れ顔を見せ、
自分の着ていた上着を羽織らせてくれる。
「んだよ、靴下も履いてねーし。寒いだろ」
「寒くないよ!ばか!」
こんなに会いたかったのか、私。
我ながら、わがままさに呆れる。