そこには、君が
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「昨日大丈夫だった?」
「分かんない。話してないし」
文化祭当日の朝。
凜と一緒にクラス屋台の準備をしながら、
昨日のことを話す。
あの後。
「あいつら誰」
「知らない人」
「なわけねーだろ」
「大和まじうざい」
こんな感じで会話は終了。
言うまでもなく、
今日も朝から会話無し。
「もういいの、2人のことは」
「ちょっとは明香離れすればいいのにね」
2人で笑い合いながら、
昨日買った材料をせかせかと準備する。
今日は2人とも焼かずに、
ひたすら売り続ける役目。
昼からは仕事無し。
「いらっしゃいませ~!」
「大ダコ入りタコ焼きですよ~!」
2人で必死に声をかけて、
何とか午前中の目標達成まで
少しとなった時。
「いらっしゃ…い」
「どうも。おまけしてください」
急に目の前に現れた、
徹平さんと柴崎さん。
「何で…いるんですか」
「お客さんにそういうこと言うんだ」
「いやあの…違くて」
急なことに驚きすぎて、
言いたいことを口に出せず。
「え!春太さん!何で!」
裏にいた凜が、外に出て
驚いた声を出す。
そのせいで周りの注目を浴び。
聞こえてきた、
誰あのイケメンという声。
そうだよね、そうなるよね。
だってこの人たち、
かっこいいもん。