そこには、君が
放課後。
「今日だよね?」
「うん。もう来ると思うけど」
数日前から4人で遊ぼうと、
計画を立てていた。
いつもならもう教室に
顔を出しても、おかしくない
時間なのに。
「もしもし?」
携帯を耳に当て、
大和へ電話。
「どこにいるの?もう準備出来て…」
『なんか約束してたっけ』
たった一言。
それだけで私を壊すのに、
充分だった。
「もういい」
『ちょっ…、』
奥で聞こえた。
女の子が大和を呼ぶ声。
「永森くん何だって?」
「忘れてる感じだった」
「え、珍しい…」
そう、珍しい。
大抵、私は毎日予定もなく、
忘れていても合わせられる。
大和は絶対に忘れたことがない。
自慢げにするくらい。
「…2人で行こっか」
「うん!そうだね!」
そう言いながら、
席を立った時。
バタバタ…と足音がして。
駆けこんできた大きな男。
「明香…いた、」
息が荒くなっている大和。
まだ学校にいたんだ。
「大…和」
焦っている大和と、
同じく走ってきたであろう京也。
そして、食堂で見かけたあの女の子。
「なん、で…」
思わず声に出てしまう。
やばいと思っても時すでに遅し。
そこにいる女の子は、
私の顔を見て1歩後ろに下がった。