そこには、君が
「本当ムカつくんだけど!」
そう言って彼女は、
私に砂を片手いっぱい投げつけた。
小さい粒が私に当たって、
複数の痛みを感じる。
まじ最低。
ていうか、何この人。
やりすぎでしょ。
「あんたなんていなければっ…!」
そこへ。
「はい、ストーップ」
聞こえた声のおかげで、
京也の今カノは動きを止めた。
「来るの遅いでしょって…」
小さく呟き、顔を上げると、
京也の今カノは京也を見るなり
わなわなし始めた。
「ぶす」
今にも殴り出しそうな大和は、
女の人たちを思い切り睨み、
嫌味を一言添え。
「あーあ、ひでぇなこれは」
私の目の前にしゃがむと、
頬の擦り傷や手のひらを見て、
顔を歪ませた。
「もー、大和。来んの遅い」
「怒んなよ。来たからいーだろ」
大和は、
ずっと小さい頃の約束を、
今でも守ってくれている。
私に何かあったら絶対すぐ
駆けつける。
そう言ったのは、小学何年生の
時だったけか。