そこには、君が




「また明日ね」





そう言って手を振ると、


陽は嬉しそうに手を振り返した。


陽が帰っていくのを見届けから、


少し早足で家に向かうことに。


何なの。何なの。何なの。


大和ってば、いつも腹が立つこと


ばっかりするのに。


どうして周りの人たちはみんな、


大和に会いたくさせるの。


私は自分の家を通過して、


無断で大和の家のドアを開けた。


大和の部屋に直接向かう。






「あれ、いない…」






ドアを開けるも、


中には大和はいない。


おかしいな。


どうせベッドで、


寝転んでると思ったのに。






「覗き魔発見」





「わっ!」






後ろから急に目隠しされ、


大和だと分かっていても、


驚いて肩をすくめる。


そんな私を横から見ながら、


少しばかにしたように笑う大和。







「早かったな」





「早く帰れって言ったよね」





「言ったっけ」







この男、


1回痛い目に合えば


いいんだ。







「なんで裸なの」





「風呂入った。誰かさん遅えから」






久々に、


大和が、


笑ってる。


目の前にいる。







「変態ばか」






何も考えなかった。


頭の中は至ってクリーン。


ごめんなんて、


言えないから。


だからこうして。







「どうした」





「うざいまじで。ばーか」






悪態ついて、


思ってないこと言いながら。


裸のこの男を、


私の腕の中に収めてやった。








「変態はお前だろ」







大和はそう言いながら、


片手で髪を拭きつつ、


もう片方の手で私の頭を包んだ。




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