そこには、君が
「いつも常に女の人がいて、選び放題なイメージです、私には」
思ったことを、
どストレートに言い過ぎた。
本心ではあるけれど、
決して遊び人だと言いたい
わけではない。
「ふざけんな」
徹平さんは、私の手を急に
力任せに取ると。
靴を脱いで、私を中へと
引きずり込んでいく。
抵抗なんて出来ないまま、
後ろに続く。
1LDKなんてたかが知れている。
リビングの向こうは、
私の寝室だ。
徹平さんは、迷うことなく、
ドアに手をかけ。
寝室へ入った。
「わっ、」
私をベッドに飛ばす。
自分のベッドになだれ込むように、
ドサっと落ちた。
「明香ちゃんさ、」
徹平さんは、
静かに私の上にまたがり。
「勘違いしてる」
静かに、話し始めた。
「いくら周りに女がいても」
ゆっくり上に上がり、
いつの間にか目の前に
徹平さんがいる。
怒っているのかと思いきや、
とてつもなく甘い声が降る。
「こんなことしたいの、1人しかいないんだよね」
そう言って、
徹平さんはゆっくり近づいて。
私の頰に手を伸ばした。
触れられるところが心地よくて、
初めての感覚に襲われた。
なんだか体が熱い。
触れられる度に、
少し変な感じがする。
「キス、したい」
寝るものだと思っていた部屋は、
机上にある小さなランプでしか
照らされていない。
徹平さんが、
いつもに増して綺麗だ。
「してい?」
そんなこと聞くなんて。
やっぱりズルい。
こくん、と頷いて見せると、
意地悪く笑って私の頭の後ろに
手を回した。