先生、あのね…



桐﨑先生が教卓の机に肘を置きながら読書をしていた。



後ろで足を組み、前かがみになって立ちながら読む姿は、私にとって読書どころじゃなかった。




先生は静かに読書、私も静かに読書。



だけど、他の子達はそうはいかなかった。



「おいお前らちょっとうるさいぞー、少し声のボリューム下げなさい」



そう言って口元に人差し指をあてた。

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