深夜1時のラブレター
今朝、あの後。
何だかんだ押し倒されてしまった私は、再び眠ってしまい、起きたら出勤時間の20分前になっていた。
5分でシャワーを浴びて、10分で髪の毛を乾かして、2分で着替えて、3分でメイクして。
その間、まだ私のベッドの中でゴロゴロしている彼に家の鍵をポストの中に入れておくように告げて、慌ただしく家を出て来たのだ。
こんなの田舎のお祖母ちゃんに知れたら、布団たたきでお尻を叩かれそうだけど。
いや、その前に会ったばかりの人を信用していいのか?って思うけど、緊急事態だったんだもん、仕方ないよね。仕事に遅刻するわけにいかないし。
「あい……?本当に大丈夫?」
「え?あ、うん、大丈夫だよ」
「そう?あ、ねぇ、メール!すごいことになってるよ」
「メール?」
首を傾げた私に、杏子はクスリと笑ってパソコンを指差す。
あ、そうだ、さっき日野さんが言っていたやつ!
「大反響だね、リクエストがいっぱいだよ」
「うわ~、嬉しい」
「ほら見て、熱烈なやつまで届いてる」
「熱烈?」
「これはもはやリクエストというより、あいに対するラブレターだよね、ほら見て」