深夜1時のラブレター


18歳の子からみたらお姉さんだろうけど、何かその呼び方をされると、老けたような気がして落ち着かない。

男の子は目をクリっと丸くさせて、少し考えるような仕草を見せた。



「じゃぁ、あいさん……あいちゃん……、しっくりこないから、あい、でもいい?」

「いいよ」



私の名前、知ってたんだ。

あ、自己紹介はしたんだっけな?私が覚えてないだけか。



「俺のなまえは、ほまれ」

「ほまれ?」

「うん!ほーちゃんでも、ほまくんでも、ほまほまでも、好きに呼んで」

「いや、普通に、ほまれ、でしょ」

「だよね!」



くるくると表情を変えながら、ニッコリと笑う。



「1か月間よろしくね、あい」

「こちらこそ、よろしく……?」



無邪気な子供のようで、周到な大人のようで。

素直な気持ちをそのまま見せて、良い子でしょ?と言わんばかりに、尻尾を振っている。

きっと彼のことを悪く言う人はいない、誰にでも愛されるような、愛される為に生まれてきたような、そんな雰囲気を持った子。

ほまれ、その名前は君にぴったりだと思った。





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