深夜1時のラブレター


初めこそ、そんな思い通りにならない恋愛が楽しくて仕方なかったけど、やっぱりどこか女王様気質のある(自覚ありです)私には、不満に感じることが多くて。

"本当に私のことが好きなの?"

そんなプライドも何もない質問を、ぶつけてしまいそうになる。

ねぇ、りゅうじさん。

私だけを見てよ。

……もし、私がそう言ったら、あなたはどうする?



「よし、決めた。あいが言った方にしよう」



軽く目を細めて笑うりゅうじさんに、胸がドキドキする。

こんな些細なことでも、私を選んだくれたような気がして、喜んでるなんて知らないでしょ?



「りゅうじさん」

「ん?」

「あのね、私」

「どうした」

「この前ね……男の子を持ち帰っちゃったの」



職場恋愛をする上で、自分の中に決めたルールがある。

①ぐだぐだな付き合い方はしないこと。

②みっともない駆け引きで、自分の品位を落とさないこと。



「それで?」

「可愛い子だから、そのまま家に置くことにした」



勝手に自分が作り出した"不安"を、払拭したいがために、相手を試そうとするのは、愚かなこと。

そんなことは分かってる。

もう子供じゃない。でもね、



「そうか」



理想論を貫けるほど、私は強くないんだよ。





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