深夜1時のラブレター


甘いものが好き。トマトが嫌い。

洗濯ものは裏返しで洗う派で、フローラルグリーンの香りがお気に入り。ただし、フローラルブーケ系は苦手。

スポーツ観戦が好き。ヒューマンドラマは苦手。
家に居る時は、できるだけダラダラしていたい派。

私と彼の好みはよく合っていて、もうずっと長いこと一緒にいるような気がするよね、と冗談っぽく笑ったりしていた。

まるで、自分の分身がそこにいるみたいだった。







「え?あい、今日仕事休みなんだ?」



朝のニュースを見ながらのんびりと珈琲をすする私に、ほまれは目を丸くした。

寝癖のついた髪の毛はそのままで、使い終わった食器を洗う姿は、従順なワンコそのものだ。



「そうだよ」

「まじで?じゃぁ、俺もバイト休もうかな」



ほまれは、派遣のバイトをするようになっていた。

交通調査だったり、宅配会社の仕分けだったり、ハードな仕事も多いが、その日のうちにお給料を支払ってくれるのが、魅力的なそうで、約束の1つだった生活費も、ちゃんと入れてくれている。

たった1ケ月くらい、ほまれを養ってあげることも出来るけど、これはけじめだ。



「駄目だよ、急に休んだりしたら周りに迷惑掛かるでしょ?」

「ううん、大丈夫!仕事の2時間前までならキャンセルOKなんだ」




< 28 / 109 >

この作品をシェア

pagetop