深夜1時のラブレター


「その様子だと、昨日の記憶は全部無いんだ?」

「まぁ……」

「じゃぁ、ここで何をしたかも?」

「……想像は付くけどね」

「そういうの男としてはショックなんだけど」



そんなこと言われてもね。

酔った勢いでしてしまった床事情なんて覚えてないのが普通で、むしろ覚えていたとしても、忘れたふりをするのが、思いやりってものじゃないの?

というか、この"子"……、



「もう1回したら思い出すかな?」

「あ、ちょっと」

「いつまでもそんなエロい恰好してるお姉さんが悪い」

「それはっ!」



そっち同様、私も裸なわけで。

服を着たかったけど、手の届く範囲には何もなくて。

シーツを体に巻き付けて何とか凌いでいる私に、彼は遠慮なく覆いかぶさって来る。

その不躾さにペチンと頭を叩き、やめなさい、と、こちらも遠慮なく膝で蹴りあげた。



「痛ってぇ」

「それ以上何かしたら警察呼ぶからね」

「えー、酷くない?」

「酷くない」

「てか、その場合捕まるのそっちじゃない?」

「っな」



思わず絶句した私に、彼はにっこりと無邪気に笑う。

その幼さの残る顔は、どう見ても10代だった。




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