深夜1時のラブレター


りゅうじさんにとって、私はあくまで欲求を満たすための生き物で、1割以上のことは、求められていない。

つまり、彼女としては傍に置いてくれるけど、それ以上は必要ないってこと。

現に、別の男と一緒に居るところを見ても、嫉妬すらしてくれないんだ。



「知ってたけど、改めて現実を見せつけられた気分」



こんなにも辛い恋になるなんて、想像もしなかったの。

いや……違う。ここまで嵌り込んでしまうとは、思わなかったの。

もし、初めからこんな気持ちになるなんて知ってたら、彼のことを好きになったりしなかったかな。



「あい……」

「ごめんごめん。こんな話、面白くないよね」

「あい、」

「さてと、晩御飯作ろうかな。ほまれ、何食べたい?」

「あいってば!無理しないでよ!」



今にも泣きだしてしまいそうな、そんな切羽詰まった声と共に、ほまれの両腕が私の体を捕まえる。

ほまれは誰にでも優しい。同情した?違う?どうでもいいや。

お気に入りのフローラルグリーンが優しく香り、強張っていた体中の力が一気に抜けた。

人に抱きしめて貰うのって、こんにも安心するものだったんだ。




―――――――――――――――――――――――――――


【NOW ON AIR】


柊木亜衣がお届けしています、heartbeat-island。さて、この時間は皆さんからのメールを紹介したいと思います。今週のテーマは、"恋愛において絶対なきゃだめなものは?"です。

絶対、お金持ちじゃなきゃだめ?優しい人じゃなきゃだめ?

それとも、絶対、あなたを1番に愛してくれる人じゃなきゃだめ?

どんなものでも、OKです。ぜひ聞かせてください。

メールを読む前に、曲に行きましょう。

ONE OK ROCK で、『heartache』



……、……





< 38 / 109 >

この作品をシェア

pagetop