深夜1時のラブレター



* * *



「――え?すみません、もう1回言ってください」



会社に戻ってすぐ伝えられていた会議室に入ると、日野さんと時枝ディレクターが、何やら渋い顔をしながら私を待っていた。

その瞬間、やばい、何かやらかしたんだ!

そう萎縮したのだけど、彼らの話とは私の予想をはるかに超えたものだった。



「日曜日の朝7時からの番組を担当して貰うって言ったんだ」



何度も同じことを言わせるなよ、と。

相変わらずニコリともせず、時枝ディレクター腕時計に視線を落とす。それからポンっと私の頭に手を乗せて、そのまま部屋を出て行った。

もうちょっと、褒めるとかしてよ。

そう抗議したいところだけど、自然と湧き上がる笑みを堪えることができない。



「やったじゃん、あいちゃん!大出世!」



まだ会議室の中に残っていた日野さんが、私の肩を軽く叩いた。

その顔は私と同じく破顔していて、さてはさっきわざと渋い顔を作っていたんだな?という考えに辿り着く。



「酷いですよ、日野さん。私、てっきり何かやらかしたのかと!」

「あはは、真っ青だったもんね」

「もうー、それならそうと早く言ってくれたらいいのに!」






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