深夜1時のラブレター



* * *


「何とか、丸く収まりそうだね」

「本当に本当に本当に、すみませんでした!」



膝にオデコがくっつくほど頭を下げる。

今日だけで一体何度、頭を下げただろう?

間違った情報を与えてしまったリスナーたちもそうだけど、迷惑を掛けてしまったスタッフたちにも申し訳なくて、土下座する勢いだ。



「どんまいどんまい!」

「そうそう、気にしないで」



幸いうちのスタッフは優しくて、怒るどころか励ましてくれる人が多数いたのが救いだった。

しかも、あいちゃんだけのせいじゃないよ、オンエア中に間違いに気が付かなかったスタッフも責任あるんだからね、と言ってくれるものだから、鼻の奥がツンと痛くなって涙を堪えるのに苦労した。



「あいちゃんー、元気だしてよ!済んだことはしょうがないじゃん」

「日野さぁん」

「ほら、バナナあげるからさ」

「うー、バナナ食べたら、またチャンスが巡ってきますかね?」

「う、うん。くるくる」

「嘘だぁ、そんなの信じない」



こらこら、やさぐれないの。

日野さんはそう言って、私の目の前にバナナを置く。

イラついたり、落ち込んだ時は、適度な糖分とカロリーを摂取するのが良いと知っているけど、今の私はそんな気分にはなれず、両手を伸ばして机に突っ伏せた。




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