深夜1時のラブレター
『それから、お前な……』
あの後、時枝さんから告げられたのは、日曜日の朝の番組担当に抜擢された件が、白紙になったというものだった。
もともと難色を示していた上層部が、今回のことを知って、まだキャリアの浅いパーソナリティーには、荷が重すぎるのでは?と、言い出したらしい。
つまり、柊木亜依に朝の番組はまだ早い、というお達しだ。
「まぁ、あれだね。間が悪かった、としか言えないよね」
バナナを頬張る日野さんは、窓の外に視線を向けた。
電話の対応に追われているうちに、いつの間にか日が暮れて外はもう暗い。窓ガラスにはやつれた私の顔が映っている。
「自業自得です」
「あいちゃんは自分に厳しいからなぁ」
「調子に乗ってしまったんです、きっと。だからあんな初歩的なミスを」
「それ、なんだけどさー」
日野さんが何か言い掛けたその時、スタッフの1人が、ああああー!という大きな声をあげて、手に持っていた段ボール箱をひっくり返した。
そこにはシュレッダー行きの資料やら原稿がたくさん入っていたらしく、数枚の白い紙が宙を舞った。―――と。
「ちょっと!あいちゃん、これ!」
「ん?何ですかー?」