深夜1時のラブレター
「随分と、若そうなやつだったよな」
「18歳だって」
「ガキだな」
「そう、ガキなの。注射が怖くて泣きそうになるくらいお子ちゃま」
「予防接種の話か?あいつのことだったんだな」
ほまれとの約束。
今日の騒動で、TRUE BLUEのインタビューは他のパーソナリティーが担当することになってしまい、ライブもその人が行くことになった。
サイン貰ってこれなかったと言ったら、ガッカリするだろうなぁ。
そんなことをぼんやり考えながら、ロックグラスに口を付ける。
「今時ないくらいに、純粋な子なの」
「へぇ」
「真っ直ぐで感情豊かで、素直で、」
あれ?やばい、ちょっと酔ってきたかも?
ふわふわとした感覚と、勝手に動く口を止めることができない。
「可愛いヤキモチも妬いてくれるの」
「……あい?」
「"送ってやるから、好きなだけ飲め?" 情けない。泊まっていけばいいくらいのこと、言えないの?」
「おい、もうその辺にしておけ」
ぼんやり重たくなる視界の端っこで、りゅうじさんが私のグラスを遠くに置くのが見えた。
今日は絶対、厄日に違いない。
だって、こんなみっともない醜態をさらしてしまうなんて。
期待しちゃった分だけ、ダメージが大きいじゃない。