深夜1時のラブレター
”そうかな”って、この時は、軽く受け流して誤魔化したけど。
私自身、それは何となく感じていた。
時枝隆司といえば、愛想なし、気遣いなし、釣った魚に餌をやらないといった、まさに俺様ドSのキャラクターだったのに……。
最近やたらと、優しいのだ。
「悪い、少し遅れた」
「郵便局に用事があったので、ちょうど良かったですよ」
「来てくれたんだな」
「……約束しましたし」
「そうか」
年が明けて、1月2日。
昨日の夜遅くまで泊まり込みで仕事をしていたので、あけましておめでとうございます、と挨拶するのも、変な感じがする。
ここは、お疲れさまです、かな?それとも、おはようございます?
ぐだぐだ考えているうちに、早く中に入れと言わんばかりに、りゅうじさんが助手席のドアを開けた。
今まで、こんなことしなかったくせに。
そんな悪態を1つ、それから、駅のロータリーで同じようにして迎えの車待ちをしていた晴着の女性に、”お先に”と心の中で声を掛けて、車の中に乗り込んだ。
「腹減ってないか?」
「大丈夫です」
「そうか、じゃぁこのまま直接行くぞ」
「あの、りゅうじさん、会わせたい人ってのは……?」
「着けば分かる」