深夜1時のラブレター


悪い予感というのは、大抵が当たってしまうものなんだ。

ほまれが入院?嘘だよね?病状は?

私は大塚さんの名刺を握りしめたまま、彼の目を見つめた。

指先が勝手に震える。



「柊木亜依さん、あなたにお願いがあって来ました」

「お願い、ですか?」

「どうか、ほまれくんに会いに来てやって欲しい」

「あの、それはどういう……あの子は、今、」

「ほまれくんは眠ったままです。ずっと、もう1ケ月くらいになるかな」



信じたくない現実に、脳がフリーズする。

このままシャットアウトしてしまいたい。

だけど聞きたくない現実は皮肉にも脳の中にするりと侵入し、そして何かがパラパラと崩れ落ちていくのを感じた。

私はこの1か月間、ほまれはきっと幸せに過ごしているのだと思っていた。

帰るべき場所に戻って、あの子らしい生活を、人生を、笑いながら、時々、私を思い出してくれたりしているのではないか、と。



『あい』



ほまれの声が、優しく頭の中で響く。

離れてから何度も夢の中に現れた彼は、いつも楽しそうに笑っていたのに。



「亜依さん?」

「え、あ、すみません」

「突然のことで驚かれたでしょう」

「そうですね、本当に……」

「順を追って説明します」



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