深夜1時のラブレター
* * *
『お願い!1ケ月だけでいいから!』
『ずるいよ、一緒にしようと思ってたのに』
『おかえり!』
『ただいま』
『あい、好きだよ』
ほまれ、ほまれ。
もし、初めて出会った時に時間を巻き戻すことが出来たなら、私はきっともっと違う形で、ほまれの傍にいれたのに。
どうして、教えてくれなかったの?
「あい」
「……」
「おい、あい!」
「っえ」
気が付くと、目の前にりゅうじさんが居て驚いた。
どうやら私はロビーに1人座ったまま、ずいぶん長い間ぼんやりしていたらしい。外はもう明るくなっており、大塚さんの姿はなかった。
心配そうな顔をしたりゅうじさんが、私の隣に腰を掛ける。
「りゅうじさん、私……」
「迷っているのか?」
「え?」
「さっきの男に話は聞いた。あいはどうしたい?あいつに会いたいか?」
「私、私は」
どうしたいのだろう?