白鷺の剣~ハクロノツルギ~
第一幕
建御雷神(タケミカヅチノカミ)
ここ……何処……?
やけに暑い。
そしてキィンと耳から全身に広がって駆け抜けていく金属音。
泥のように身体が重くて、ジワジワと全身が沈んでいくような感じ。
いやだ、怖い。
誰か助けて。
私は重い腕を必死で上げた。
目の前は薄暗くて何も掴めるものがない。
けれど、沈むと二度と上がってくることが出来ない予感がするのだ。
「た……助け、て」
掠れた声に威力なんてないけど言わずにはいられなくて。
ああ、もうダメ。
力無く腕が下がりそうになったその時、
「しっかりしてください」
低くて心地好い声がして、誰かが私の手を掴んだ。
「拓也……?」
ううん、声や話し方で拓也じゃないって分かってた。
けれど、けれど、私は呼ばずにはいられなかった。
それは願望。
だってまだ拓也を愛しているから。
やけに暑い。
そしてキィンと耳から全身に広がって駆け抜けていく金属音。
泥のように身体が重くて、ジワジワと全身が沈んでいくような感じ。
いやだ、怖い。
誰か助けて。
私は重い腕を必死で上げた。
目の前は薄暗くて何も掴めるものがない。
けれど、沈むと二度と上がってくることが出来ない予感がするのだ。
「た……助け、て」
掠れた声に威力なんてないけど言わずにはいられなくて。
ああ、もうダメ。
力無く腕が下がりそうになったその時、
「しっかりしてください」
低くて心地好い声がして、誰かが私の手を掴んだ。
「拓也……?」
ううん、声や話し方で拓也じゃないって分かってた。
けれど、けれど、私は呼ばずにはいられなかった。
それは願望。
だってまだ拓也を愛しているから。
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