白鷺の剣~ハクロノツルギ~
「行くぞ」
「は、はい」
がっしりとした手で私と手をつなぐと、以蔵さんは早足で歩き始めた。
「あれ、柚菜ちゃん?!」
女将さんが焦ったように私達を見た。
「あの女狐め」
階段を降り終えた私に女将さんが小走りで近づく。
「あのお侍さんはどうしたの」
「女将」
以蔵さんは私と女将さんの間に肩を割り込ませて低い声で言った。
「俺の女を貸し座敷に上げるとはどういう事だ」
女将さんが竦み上がる。
「そんな事、知りませんでしたよ。今日からうちで預かる事になった娘で……」
「連れて帰る。文句なら聞くが……」
言いながら以蔵さんは腰の刀をスルリと撫でた。
それを見た女将さんが息を飲んで口を開く。
「けっ、結構ですよ、柚菜、これは今日の払い分だよ」
私の手に何かを握らせると女将さんは脱兎のごとく店の奥に消えた。
「行くぞ」
「は、はいっ」
店を出て暫く歩くと、岡田さんは私の手を離した。
「じゃあな」
は?!
暗い橋の上で、私は焦った。
「は、はい」
がっしりとした手で私と手をつなぐと、以蔵さんは早足で歩き始めた。
「あれ、柚菜ちゃん?!」
女将さんが焦ったように私達を見た。
「あの女狐め」
階段を降り終えた私に女将さんが小走りで近づく。
「あのお侍さんはどうしたの」
「女将」
以蔵さんは私と女将さんの間に肩を割り込ませて低い声で言った。
「俺の女を貸し座敷に上げるとはどういう事だ」
女将さんが竦み上がる。
「そんな事、知りませんでしたよ。今日からうちで預かる事になった娘で……」
「連れて帰る。文句なら聞くが……」
言いながら以蔵さんは腰の刀をスルリと撫でた。
それを見た女将さんが息を飲んで口を開く。
「けっ、結構ですよ、柚菜、これは今日の払い分だよ」
私の手に何かを握らせると女将さんは脱兎のごとく店の奥に消えた。
「行くぞ」
「は、はいっ」
店を出て暫く歩くと、岡田さんは私の手を離した。
「じゃあな」
は?!
暗い橋の上で、私は焦った。