白鷺の剣~ハクロノツルギ~
私は、白鷺の方に身を乗り出して彼の身体を少し揺らした。

「白……」

その時ヒヤリとして私は思わず息を飲み、硬直した。

白鷺の身体が氷のように冷たい。

それは本当に異様な冷たさで、私は怖くて仕方なかった。

「ナントザンコクナモノヨ」

「アノヒトヲキッタカタナガニクイ」

「オレハホントウニシンダノカ?」

声は相変わらず聞こえる。

青白い光も火の玉も消えることなく部屋を漂い、恐怖のあまり私の鼓動は激しく響いた。

「白鷺、起きて。しっかりして!」

相変わらず白鷺の身体は冷たくて、私の言葉は届かないままだった。

「宗太郎!宗太郎!!」

いくら揺すっても頬を叩いても、宗太郎も全く起きない。

こんなの変だ。

全身からジワリと嫌な汗が出て、背中をツーッと伝った。

その時、

「白鷺は……私のもの」

艶のある静かな声が響いて、私は辺りを見回した。

「……好きよ。白鷺」

いやだ、きっと幽霊だ。

これはみんな、幽霊の声に間違いない。

あまりの恐ろしさにガタガタと身体が震えた。

そ、そうだ。
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