白鷺の剣~ハクロノツルギ~
「…………」
「…………」
確かにここは宗太郎の家なのに、どうして白鷺がいるんだろう。
しかも機嫌悪そうだし。
「あの白鷺、どうしたの?宗太郎は?」
「宗太郎なら外で身体を拭いてる」
「じゃあ、私も」
そう言って立ち上がろうと床に手をついた時、
「いたっ!」
グインと髪を引っ張られて、私は前につんのめった。
何度目だろう、白鷺に髪を引っ張られたのは。
「痛いじゃん」
地肌を擦りながら白鷺を見上げると、私の肩を掴んだ白鷺が身を屈め、至近距離から私を睨んだ。
「俺の話を聞いてなかったのか」
「なに?」
「今、宗太郎が身体を拭いてるんだぞ」
「だから私もついでに」
「アイツに肌を見られて平気なのか」
「見られないよ。手拭いを濡らすだけ。身体はこっちで拭くし」
「アイツの身体を見ることになるだろう」
もう、まるで意味がわからない。
「どういう意味?
宗太郎が女の人なら恥ずかしいかもしれないけど、男なんだから気にしないでしょ」
私の言葉のどこが腹立たしいのか分からないけど、白鷺は更に苛立たしげに眉を寄せた。
「…………」
確かにここは宗太郎の家なのに、どうして白鷺がいるんだろう。
しかも機嫌悪そうだし。
「あの白鷺、どうしたの?宗太郎は?」
「宗太郎なら外で身体を拭いてる」
「じゃあ、私も」
そう言って立ち上がろうと床に手をついた時、
「いたっ!」
グインと髪を引っ張られて、私は前につんのめった。
何度目だろう、白鷺に髪を引っ張られたのは。
「痛いじゃん」
地肌を擦りながら白鷺を見上げると、私の肩を掴んだ白鷺が身を屈め、至近距離から私を睨んだ。
「俺の話を聞いてなかったのか」
「なに?」
「今、宗太郎が身体を拭いてるんだぞ」
「だから私もついでに」
「アイツに肌を見られて平気なのか」
「見られないよ。手拭いを濡らすだけ。身体はこっちで拭くし」
「アイツの身体を見ることになるだろう」
もう、まるで意味がわからない。
「どういう意味?
宗太郎が女の人なら恥ずかしいかもしれないけど、男なんだから気にしないでしょ」
私の言葉のどこが腹立たしいのか分からないけど、白鷺は更に苛立たしげに眉を寄せた。