白鷺の剣~ハクロノツルギ~
第六幕
愛と決戦の夜
◇◇◇◇◇◇
「そんな不細工な顔して泣くなよぉ」
宗太郎は困り果てたように私を見た。
「不細工とか言わないでよぉっ。
だっ、て、白鷺がっ……うわあああん!」
私の涙を手拭いで拭きながら、宗太郎は私をヨシヨシと撫でた。
「しかし、雅が生き霊だったとはな……」
「白鷺は知ってたみたいなの。生き霊の正体が雅さんだって」
宗太郎は部屋の真ん中で胡座をかき、ガシガシと髪をかきあげた。
「アイツの事だ。そうせざるを得ない何かを抱えてるんだろう」
宗太郎はそう言うと立ち上がり、水瓶から柄杓で水をすくうと土間に撒いた。
真夏の日中は暑く、打ち水もすぐに乾く。
……わかってる。
白鷺はたった独りで何かに耐えようとしているんだ。
「それに、お前を守ったんだろう。雅がお前に妙な感情を抱かないように」
私は鼻をすすりながら頷いた。
「分かってる。だけど嫌なの」
「そりゃ、好きな男が他の女抱いてりゃ辛いわな」
「はっきり言わないでよっ、宗太郎なんか嫌い!」
「こらこら」
宗太郎はどうしようもないといったように頭を振りながら、私に少し微笑んだ。
「白鷺は絶対にお前を迎えに来るから、早く涙を拭いて待ってろ」
「来ないよ、絶対。今頃は」
「そんな不細工な顔して泣くなよぉ」
宗太郎は困り果てたように私を見た。
「不細工とか言わないでよぉっ。
だっ、て、白鷺がっ……うわあああん!」
私の涙を手拭いで拭きながら、宗太郎は私をヨシヨシと撫でた。
「しかし、雅が生き霊だったとはな……」
「白鷺は知ってたみたいなの。生き霊の正体が雅さんだって」
宗太郎は部屋の真ん中で胡座をかき、ガシガシと髪をかきあげた。
「アイツの事だ。そうせざるを得ない何かを抱えてるんだろう」
宗太郎はそう言うと立ち上がり、水瓶から柄杓で水をすくうと土間に撒いた。
真夏の日中は暑く、打ち水もすぐに乾く。
……わかってる。
白鷺はたった独りで何かに耐えようとしているんだ。
「それに、お前を守ったんだろう。雅がお前に妙な感情を抱かないように」
私は鼻をすすりながら頷いた。
「分かってる。だけど嫌なの」
「そりゃ、好きな男が他の女抱いてりゃ辛いわな」
「はっきり言わないでよっ、宗太郎なんか嫌い!」
「こらこら」
宗太郎はどうしようもないといったように頭を振りながら、私に少し微笑んだ。
「白鷺は絶対にお前を迎えに来るから、早く涙を拭いて待ってろ」
「来ないよ、絶対。今頃は」