白鷺の剣~ハクロノツルギ~
私が元の世界に帰った時に……?
「アイツはな、再びお前に会いたい思いを抑えきれずに、この脇差を作り始めたんだ」
ジワジワと胸が熱くなる。
宗太郎は続けた。
「そして再びお前に会えて、アイツはこの脇差に掛けた願が成就したと思ったんだろうな。会えた後はきっと、それを感謝しながら最後まで作り続けたんだと思うぜ。……アイツにしたら、成就したからにはこの脇差を犠牲にするべきだと考え、完成した途端にこれを折ると言い出したんだ。お前との再会と引き換えに」
私との再会を願って作ったものだったなんて……。
再び涙が頬を伝った。
ああ、お祖父ちゃん、お祖父ちゃんの読みは正しかったよ。
あの日お祖父ちゃんと刀部屋で見た脇差は、正真正銘、白鷺流十代目・西山白鷺の一振りだったよ。
「アイツはな、再びお前に会いたい思いを抑えきれずに、この脇差を作り始めたんだ」
ジワジワと胸が熱くなる。
宗太郎は続けた。
「そして再びお前に会えて、アイツはこの脇差に掛けた願が成就したと思ったんだろうな。会えた後はきっと、それを感謝しながら最後まで作り続けたんだと思うぜ。……アイツにしたら、成就したからにはこの脇差を犠牲にするべきだと考え、完成した途端にこれを折ると言い出したんだ。お前との再会と引き換えに」
私との再会を願って作ったものだったなんて……。
再び涙が頬を伝った。
ああ、お祖父ちゃん、お祖父ちゃんの読みは正しかったよ。
あの日お祖父ちゃんと刀部屋で見た脇差は、正真正銘、白鷺流十代目・西山白鷺の一振りだったよ。