白鷺の剣~ハクロノツルギ~
宗太郎が私の手に脇差を握らせながら頷いた。
「この脇差の名を聞きたいか?」
「……名前?」
宗太郎がニヤリと笑った。
「柚姫」
ユウヒメ……。
「お前の事だよ、柚菜」
ああ、白鷺。
本当に白鷺は私を大切に思ってくれていたんだ。
私は涙を拭くと立ち上がった。
「宗太郎、私行かなきゃ!」
「危なくなったらそれを使え」
私はしっかりと頷くと身を翻して部屋を飛び出した。
少しでも早く走りたくて、長い着物の裾をまくり上げて砂利道を駆け出すと、白鷺の顔を思い浮かべた。
その時、遥か前方の木々の間に、見知った着物が見えた。
「柚菜!!!」
……白鷺!
「白鷺!」
一心にこちらに走ってくる白鷺に、私は思いきり名を呼ぶと走り寄った。
「白鷺!」
「柚菜!」
ああ。やっぱり離れられない。
離れたくない!
こちらに伸ばされた白鷺の両腕の中に、私は思いきり飛び込んだ。
「この脇差の名を聞きたいか?」
「……名前?」
宗太郎がニヤリと笑った。
「柚姫」
ユウヒメ……。
「お前の事だよ、柚菜」
ああ、白鷺。
本当に白鷺は私を大切に思ってくれていたんだ。
私は涙を拭くと立ち上がった。
「宗太郎、私行かなきゃ!」
「危なくなったらそれを使え」
私はしっかりと頷くと身を翻して部屋を飛び出した。
少しでも早く走りたくて、長い着物の裾をまくり上げて砂利道を駆け出すと、白鷺の顔を思い浮かべた。
その時、遥か前方の木々の間に、見知った着物が見えた。
「柚菜!!!」
……白鷺!
「白鷺!」
一心にこちらに走ってくる白鷺に、私は思いきり名を呼ぶと走り寄った。
「白鷺!」
「柚菜!」
ああ。やっぱり離れられない。
離れたくない!
こちらに伸ばされた白鷺の両腕の中に、私は思いきり飛び込んだ。