白鷺の剣~ハクロノツルギ~
第七幕
白鷺の剣
◇◇◇◇◇◇
「柚菜ーっ!!」
俺は声の限り叫んだ。
行灯の炎ひとつの暗い部屋の中でも、柚菜の顔が土気色に変わっていくのを感じた。
『白鷺、死んでもあなたを守るから。だから私の分まで幸せに生きて』
さっき俺の手を握ってそう言った柚菜の言葉を思い返して、再び涙が頬を伝った。
初めて柚菜を見た時、何と可愛らしい女なんだろうと思った。
真っ直ぐに俺を見る瞳に、直ぐに恋に落ちた。
正真正銘の一目惚れだ。
冷たくしたのは、これ以上柚菜を知ると自分の物にしそうだったからだ。
そうなれば、雅の生き霊が彼女を襲うだろう。
それだけは避けたかったんだ。
なのに、こんなことになるなんて。
俺は、雅の懐剣を胸に受け、力なく横たわる柚菜の手を握り締めた。
「柚菜、お願いだ。死なないでくれ」
その時激しい閃光が部屋に射し込み、やがて銀色の光が全てを照らした。
あまりの事に何が何だか訳がわからない。
「どうしているかとちょっと見に来てみりゃ……」
突然深くて低い辺りを震わすような声が響き、俺は柚菜の身体を抱いたまま、慌てて部屋の天井から床までをくまなく見回した。
すると漆黒の長い髪と瞳を持つ精悍な男が部屋の中央に現れて、憮然とした表情で部屋をグルリと一瞥した。
「おい、マジかよ」
「柚菜ーっ!!」
俺は声の限り叫んだ。
行灯の炎ひとつの暗い部屋の中でも、柚菜の顔が土気色に変わっていくのを感じた。
『白鷺、死んでもあなたを守るから。だから私の分まで幸せに生きて』
さっき俺の手を握ってそう言った柚菜の言葉を思い返して、再び涙が頬を伝った。
初めて柚菜を見た時、何と可愛らしい女なんだろうと思った。
真っ直ぐに俺を見る瞳に、直ぐに恋に落ちた。
正真正銘の一目惚れだ。
冷たくしたのは、これ以上柚菜を知ると自分の物にしそうだったからだ。
そうなれば、雅の生き霊が彼女を襲うだろう。
それだけは避けたかったんだ。
なのに、こんなことになるなんて。
俺は、雅の懐剣を胸に受け、力なく横たわる柚菜の手を握り締めた。
「柚菜、お願いだ。死なないでくれ」
その時激しい閃光が部屋に射し込み、やがて銀色の光が全てを照らした。
あまりの事に何が何だか訳がわからない。
「どうしているかとちょっと見に来てみりゃ……」
突然深くて低い辺りを震わすような声が響き、俺は柚菜の身体を抱いたまま、慌てて部屋の天井から床までをくまなく見回した。
すると漆黒の長い髪と瞳を持つ精悍な男が部屋の中央に現れて、憮然とした表情で部屋をグルリと一瞥した。
「おい、マジかよ」