白鷺の剣~ハクロノツルギ~
雅さんは振り返ると驚いたように白鷺の差し出した懐剣を見つめたけど、そっと両手で受けとると胸元に収めた。
「さよなら、白鷺」
「ああ。元気で」
雅さんの姿が見えなくなるまで見送ると、私は白鷺を見上げた。
「雅さん、自分の生き霊には気付いてなかったんだね」
「ああ」
もしかしたら、様々な魂の悪戯も手伝って、生き霊が独り歩きしていたのかも知れないな……。
言葉少なく私にそういうと、白鷺はそっと手を握った。
「部屋に戻るぞ」
「……うん」
「柚菜」
「ん?……あ、きゃあっ!」
言うや否や、白鷺は私をフワリと抱き上げた。
「ちょ、ちょっと、白鷺っ」
私を抱き上げた白鷺は、一瞬だけこちらを斜めから見下ろして、魅力的な笑みを浮かべた。
「一目惚れだと言っただろう?」
キュッと胸が鳴って、私は夢中で白鷺の瞳を見つめた。
甘い光を宿したその瞳は凄く素敵で、どうしていいか分からない。
「お前も俺に惚れてるんだろう?なら」
そこで一旦言葉を切ると、私を部屋の床に下ろし、白鷺は昨日届いたばかりの真新しい布団に眼をやった。
それから再び私の瞳を見つめる。
「……」
「さよなら、白鷺」
「ああ。元気で」
雅さんの姿が見えなくなるまで見送ると、私は白鷺を見上げた。
「雅さん、自分の生き霊には気付いてなかったんだね」
「ああ」
もしかしたら、様々な魂の悪戯も手伝って、生き霊が独り歩きしていたのかも知れないな……。
言葉少なく私にそういうと、白鷺はそっと手を握った。
「部屋に戻るぞ」
「……うん」
「柚菜」
「ん?……あ、きゃあっ!」
言うや否や、白鷺は私をフワリと抱き上げた。
「ちょ、ちょっと、白鷺っ」
私を抱き上げた白鷺は、一瞬だけこちらを斜めから見下ろして、魅力的な笑みを浮かべた。
「一目惚れだと言っただろう?」
キュッと胸が鳴って、私は夢中で白鷺の瞳を見つめた。
甘い光を宿したその瞳は凄く素敵で、どうしていいか分からない。
「お前も俺に惚れてるんだろう?なら」
そこで一旦言葉を切ると、私を部屋の床に下ろし、白鷺は昨日届いたばかりの真新しい布団に眼をやった。
それから再び私の瞳を見つめる。
「……」