白鷺の剣~ハクロノツルギ~
なんとしてでも
◇◇◇◇◇◇◇
「……何で直ぐに言わなかったんだよ」
赤茶……西山宗太郎は苛立たしげに私を睨んだ。
「だって、言い出せなくて」
「アホか!傷だらけじゃねえか!当分此処でおとなしくしてろ」
宗太郎が桶に浸けた私の足の裏を洗いながらブツブツと怒った。
そう、ミカヅチ様にすっ飛ばされた私は、裸足だったのだ。
けれどあの状況で裸足だとは言えず、砂利道を歩き続けた結果足裏から流血し、私は転んでしまった。
つくづく憎たらしい、ミカヅチのアホめっ!
私は小さく息をつくと、西山宗太郎に頭を下げた。
「……ごめんなさい」
「ったく」
「きゃあっ」
西山さんは器用に私の両足に手拭いを巻き付けると、ヒョイと私を抱き上げて畳の上に上がった。
「なんだよ」
西山さんは私の瞳を覗き込んでクスリと笑った。
「あの、西山さん、自分で歩けますから」
「宗太郎でいい。西山だとどっちのことか分かんねぇからな」
……ん?
怪訝な顔をした私に西山………宗太郎は、サラリと言った。
「白鷺も名字が西山だからな。従兄弟同士なんだ」
「……何で直ぐに言わなかったんだよ」
赤茶……西山宗太郎は苛立たしげに私を睨んだ。
「だって、言い出せなくて」
「アホか!傷だらけじゃねえか!当分此処でおとなしくしてろ」
宗太郎が桶に浸けた私の足の裏を洗いながらブツブツと怒った。
そう、ミカヅチ様にすっ飛ばされた私は、裸足だったのだ。
けれどあの状況で裸足だとは言えず、砂利道を歩き続けた結果足裏から流血し、私は転んでしまった。
つくづく憎たらしい、ミカヅチのアホめっ!
私は小さく息をつくと、西山宗太郎に頭を下げた。
「……ごめんなさい」
「ったく」
「きゃあっ」
西山さんは器用に私の両足に手拭いを巻き付けると、ヒョイと私を抱き上げて畳の上に上がった。
「なんだよ」
西山さんは私の瞳を覗き込んでクスリと笑った。
「あの、西山さん、自分で歩けますから」
「宗太郎でいい。西山だとどっちのことか分かんねぇからな」
……ん?
怪訝な顔をした私に西山………宗太郎は、サラリと言った。
「白鷺も名字が西山だからな。従兄弟同士なんだ」