白鷺の剣~ハクロノツルギ~
私もそんなお祖父ちゃんの元で育ったので、日本刀が好きだ。

「日本刀が好き?!殺人の道具だよ?どこがいいの、怖いよ」

昔、学校で日本刀が好きと言うとクラスメートにこう言われたが、私は芸術的な観点から見て好きなのだ。

どこが好きかと聞かれたら、全体の形も好きなんだけど、一番私が好きなのは『地肌』と呼ばれる部分の模様。

地肌とは、ザックリ言えば日本刀の表面部分だ。

日本刀となる鋼を何度も槌で叩き、折り返して鍛えることによって不純物を取り除いて強度を出す。

この作業を折り返し鍛錬と言うんだけど、鋼の折り返し方は、刀工の流派によって違いがあって、それによって地肌の模様が変わってくるの。

……まあ、刀を手にとって表面をよく見なきゃ分からないんだけどね。

それと刃文も好き。

刃文ていうのは簡単に説明すると刃の部分の白っぽく見える部分の模様なんだけど、焼き入れを行う時に、刀身に焼き刃土を塗ることによって出来るの。

焼き入れ温度なども関係するんだけど、焼き刃土の厚く塗った所と薄く塗った所との境目が、様々な形になるわけ。

まあ……あまり友達には理解してもらえなかったけどね、日本刀の話をしても。

そして、一言で日本刀といっても様々なものがある。

太刀(たち)、刀(かたな)、脇差・脇指(わきざし)、直刀(ちょくとう)、剣(つるぎ)なんかもあるし、薙刀(なぎなた)や槍も言わば刀の一種。

あ、ちなみに小太刀と脇差は別物。

ほかにも細かくいうとまだあるんだけど、時代背景や用途によって形も呼び名も変わってくるのよね。

ああ!日本刀って、魅力的。

日本刀を作る技術的な面も、芸術的観点からいっても最高。
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