白鷺の剣~ハクロノツルギ~
「ありがとうございます!」
「今日はもうすぐ看板だからね、上がっていいよ」
「では、お皿を洗っておきますね」
私がそう言って女将さんに頭を下げた時だった。
入り口の暖簾をくぐり、一人の男性が店に入ってきた。
「いらっしゃい!」
私は思いきり愛想よく微笑んで男性を見つめた。
直後に硬直。
例えて言うなら、まるで冷凍の肉みたいにな!
だってその男性は、眉間に皺を寄せた白鷺だったんだもの。
女将さんには目もくれず、彼は私を見据えてムッとしている。
袖から見えない両腕は、着物のなかで組まれているらしい。
「こんばんはー……」
焦って言ってみたものの、当然のごとく無視される始末。
なんか、ヤバい雲行きなんじゃ……。
「もうすぐ看板ですけど、お酒だけなら」
女将さんがにっこり微笑んで白鷺を見たが、
「帰るぞ」
白鷺は短くそう言うと、私の腕を掴んで店の外へと出た。
「ちょ、待って、西山さん、あの、」
白鷺は私の声など聞こえないといったように歩き続けた。
「西山さん、待ってください。私、さっきのお店で雇ってもらえたんです。しかも住み込で」
「今日はもうすぐ看板だからね、上がっていいよ」
「では、お皿を洗っておきますね」
私がそう言って女将さんに頭を下げた時だった。
入り口の暖簾をくぐり、一人の男性が店に入ってきた。
「いらっしゃい!」
私は思いきり愛想よく微笑んで男性を見つめた。
直後に硬直。
例えて言うなら、まるで冷凍の肉みたいにな!
だってその男性は、眉間に皺を寄せた白鷺だったんだもの。
女将さんには目もくれず、彼は私を見据えてムッとしている。
袖から見えない両腕は、着物のなかで組まれているらしい。
「こんばんはー……」
焦って言ってみたものの、当然のごとく無視される始末。
なんか、ヤバい雲行きなんじゃ……。
「もうすぐ看板ですけど、お酒だけなら」
女将さんがにっこり微笑んで白鷺を見たが、
「帰るぞ」
白鷺は短くそう言うと、私の腕を掴んで店の外へと出た。
「ちょ、待って、西山さん、あの、」
白鷺は私の声など聞こえないといったように歩き続けた。
「西山さん、待ってください。私、さっきのお店で雇ってもらえたんです。しかも住み込で」