白鷺の剣~ハクロノツルギ~
力が入らない。
脱力感が半端ない。
「……白鷺」
「……ん?」
力なく呼ぶと、意外にも白鷺は優しく返事をした。
白鷺は私に寄せた頬を僅かに離し、至近距離からこちらを見つめている。
「白鷺って、バカなんじゃないの?」
涙声でそう言うと、私は白鷺に身を預けた。
私もバカなのかも知れない。
ことごとく私の前途を阻むこの男に抱きつくなんて。
でも、でも。
分かり合いたいと思ったからかも知れない。
かたい胸に頬を寄せて寄りかかれば、少しは彼を知れるかもって。
「白鷺……私、働かなきゃお金がないんだよ?白鷺に払うお金がないの。私に剣を作る気はないの?だったらもう一度きっぱりと断ってよ……。そしたら私、本当にもう白鷺に作ってもらうのを諦めるから……」
「……俺は……バカかも知れない」
白鷺の声は、どこか悲しそうで静かだった。
目一杯息を吸い込むと白鷺の香りがして、私はゆっくりと眼を閉じた。
疲れてしまって、ただ眠りたかった。
脱力感が半端ない。
「……白鷺」
「……ん?」
力なく呼ぶと、意外にも白鷺は優しく返事をした。
白鷺は私に寄せた頬を僅かに離し、至近距離からこちらを見つめている。
「白鷺って、バカなんじゃないの?」
涙声でそう言うと、私は白鷺に身を預けた。
私もバカなのかも知れない。
ことごとく私の前途を阻むこの男に抱きつくなんて。
でも、でも。
分かり合いたいと思ったからかも知れない。
かたい胸に頬を寄せて寄りかかれば、少しは彼を知れるかもって。
「白鷺……私、働かなきゃお金がないんだよ?白鷺に払うお金がないの。私に剣を作る気はないの?だったらもう一度きっぱりと断ってよ……。そしたら私、本当にもう白鷺に作ってもらうのを諦めるから……」
「……俺は……バカかも知れない」
白鷺の声は、どこか悲しそうで静かだった。
目一杯息を吸い込むと白鷺の香りがして、私はゆっくりと眼を閉じた。
疲れてしまって、ただ眠りたかった。