白鷺の剣~ハクロノツルギ~
「柚菜!」

白鷺に抱き止められ、宗太郎が駆け寄ってきて私の喉に眼をやり、家の中に手拭いを取りに走った。

「柚菜、大丈夫か?!」

白鷺が心配そうに私を見つめていて、私はいたたまれずに口を開いた。

「ごめんなさい、私のせいで刀がっ……!」

申し訳なくて、どうしていいか分からなくて、涙があふれ出た。

「白鷺、白鷺、ごめんなさい……」

「いいんだ。いいんだ、柚菜」

良いわけがない。

「良くない、良くないよっ!どうしよう、どうしよう、白鷺」

白鷺が私をきつく抱き締めた。

「お前が無事ならそれでいい」

私は白鷺の大切な刀が奪われたという事実に自分を責めずにはいられず、泣き続けた。



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