白鷺の剣~ハクロノツルギ~
「なぜ謝る?」

いつもより少し多目の蝋燭のせいで、部屋自体がオレンジ色で、何だか綺麗だった。

そんな中で白鷺が私を見下ろした。

綺麗な瞳が間近にあって、次第に心臓がバクバクと煩く響きだす。

「もたれかかっちゃって……ごめん、また怒られると思って、その……」

私がそう言うと、白鷺が小さく息をついた。

「宗太郎と寝るな」

「……へ?」

いや、聞き違いかと思って。

「添い寝も、肌を許すのもダメだ」

白鷺を見上げて、私はコクンと喉を鳴らした。

どうやら聞き間違いではないらしい。

白鷺はイラついたように私を見下ろしていた。

「聞いてるのか」

なんで白鷺がこんなことを言うのかまるで分からない。

今の言葉は何?

私が……好きとか……?

いや違う、そんなわけない。

だって白鷺にはあの人がいるもの。

「どうして?白鷺には関係ないじゃん」

理由を知りたかった。

「柚菜」

質問をした私を、白鷺が睨んだ。

その瞳が私を疎ましいと告げているようで、私はこれまでの白鷺との出来事を思い返した。
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