白鷺の剣~ハクロノツルギ~
私は眼を見開いて、白鷺が手にした剣を見つめた。
これって、これって……!
声の震えを止める事が出来なかった。
「白、鷺、どうして」
信じられない思いで白鷺を見上げていると、彼は苦しげに笑った。
「柚菜が寝てる間に」
動揺しているせいなのか、いまいち状況が理解できない。
なんで?!なんで白鷺は剣を?!
あんなに頼んでも作ろうとしてくれなかったのに。
「……どうして……あんなに嫌がってたのに……それに私、お金が払えない」
白鷺の刀はとても高価だって……。
「金なら要らない。夜が明けたら剣を持ってもとの世界へ帰るんだ」
白鷺はそう言うと、私から視線をそらして横を向いた。
この世界へ飛ばされた直後の私なら、泣いて喜んでいただろう。
けど、今の私は……!
「白鷺、私がいない方がいいの?だから作ろうと思ったの?」
「…………」
白鷺は眉を寄せて瞳を伏せたまま押し黙っている。
「白鷺」
「夜が明けたら、さよならだ」
白鷺はそう言うと、踵を返して私に背を向けた。
蝋燭の炎が均整のとれた白鷺の身体を柔らかく照らしていて、私はその美しい姿を茫然と眺めた。
これって、これって……!
声の震えを止める事が出来なかった。
「白、鷺、どうして」
信じられない思いで白鷺を見上げていると、彼は苦しげに笑った。
「柚菜が寝てる間に」
動揺しているせいなのか、いまいち状況が理解できない。
なんで?!なんで白鷺は剣を?!
あんなに頼んでも作ろうとしてくれなかったのに。
「……どうして……あんなに嫌がってたのに……それに私、お金が払えない」
白鷺の刀はとても高価だって……。
「金なら要らない。夜が明けたら剣を持ってもとの世界へ帰るんだ」
白鷺はそう言うと、私から視線をそらして横を向いた。
この世界へ飛ばされた直後の私なら、泣いて喜んでいただろう。
けど、今の私は……!
「白鷺、私がいない方がいいの?だから作ろうと思ったの?」
「…………」
白鷺は眉を寄せて瞳を伏せたまま押し黙っている。
「白鷺」
「夜が明けたら、さよならだ」
白鷺はそう言うと、踵を返して私に背を向けた。
蝋燭の炎が均整のとれた白鷺の身体を柔らかく照らしていて、私はその美しい姿を茫然と眺めた。