白鷺の剣~ハクロノツルギ~
白鷺、白鷺。
白鷺の背中がグニャリと歪む。
仕方がないよね、だって私は……。
私は大きく息を吸い込むと決心を固めて口を開いた。
「さよなら白鷺……大好きだったよ、いつの間にか」
眼の端に、白鷺が振り返るのが見えた気がした。
けれど私は身を翻して土間に飛び降りると、入り口の引き戸を開けて外に飛び出した。
こんな気持ちのまま明日の朝なんて迎えられない。
こんな気持ちのまま白鷺の傍にいられない。
ミカヅチ……!!
ミカヅチ!!
私は剣を強く握りしめて、空を仰いだ。
「ミカヅチ!!」
その時、涙で滲んだ大きな銀色の月が剣にキラリと反射した。
「きゃあああ!」
「柚菜っ!」
白鷺に呼ばれた気がしたけど、剣から放たれた月色の光に私の全身は包み込まれ、直後に物凄い風が巻き起こったために、私は白鷺に返事をすることが出来なかった。
激しい光と風に包まれているうちに、意識が薄れる。
強烈な眠気に耐えることが出来ない。
ああ、私……多分帰るんだ、元の世界に。
白鷺、白鷺……。
薄れゆく意識の中で、私は白鷺を思い続けた。
白鷺の背中がグニャリと歪む。
仕方がないよね、だって私は……。
私は大きく息を吸い込むと決心を固めて口を開いた。
「さよなら白鷺……大好きだったよ、いつの間にか」
眼の端に、白鷺が振り返るのが見えた気がした。
けれど私は身を翻して土間に飛び降りると、入り口の引き戸を開けて外に飛び出した。
こんな気持ちのまま明日の朝なんて迎えられない。
こんな気持ちのまま白鷺の傍にいられない。
ミカヅチ……!!
ミカヅチ!!
私は剣を強く握りしめて、空を仰いだ。
「ミカヅチ!!」
その時、涙で滲んだ大きな銀色の月が剣にキラリと反射した。
「きゃあああ!」
「柚菜っ!」
白鷺に呼ばれた気がしたけど、剣から放たれた月色の光に私の全身は包み込まれ、直後に物凄い風が巻き起こったために、私は白鷺に返事をすることが出来なかった。
激しい光と風に包まれているうちに、意識が薄れる。
強烈な眠気に耐えることが出来ない。
ああ、私……多分帰るんだ、元の世界に。
白鷺、白鷺……。
薄れゆく意識の中で、私は白鷺を思い続けた。