白鷺の剣~ハクロノツルギ~
第三幕
このままでいいのか
◇◇◇◇◇◇
「おい、いつまで寝てんだよ。起きろ」
「いっ……」
眉間にカツン!と固い物が当たり、私は眉を寄せるとうっすらと眼を開けた。
見ると、至近距離からこちらを覗き込む建御雷神(たけみかづちのかみ)が、剣の柄を再び私の額に打ち付けようとしているところだった。
「ミカヅチのバカッ!!死ねっ!」
「痛っ!!」
私は構わず、ミカヅチの顔面に再びビンタをしてやろうと右手を振り上げた。
しかしあっけなくその手首を掴まれ、私はミカヅチを睨み上げた。
「なんだよ、キレてんじゃねえよ」
ミカヅチの背景は見慣れた空間で、私はすぐに現在に戻ってきたことを理解した。
「さすがは白鷺だぜ」
ミカヅチの手には私が持ち帰った剣が握られていて、
「でかしたな、柚菜」
なにが、『でかしたな』だ。
私はムカつきながらも、白鷺が作ってくれた剣をマジマジと見つめた。
あの時は部屋が暗かったし別れが悲しかったしで、まだじっくり見ていなかったのだ。
これって……!
明らかに鋳造じゃない。
この剣は……鍛練してある。
けど日本刀みたいに反りはなく、片刃じゃない。
剣の製法に多い鋳造品じゃなく、日本刀と同じような作り方だと思われるのに、直刀で、反りがなく両刃。
「おい、いつまで寝てんだよ。起きろ」
「いっ……」
眉間にカツン!と固い物が当たり、私は眉を寄せるとうっすらと眼を開けた。
見ると、至近距離からこちらを覗き込む建御雷神(たけみかづちのかみ)が、剣の柄を再び私の額に打ち付けようとしているところだった。
「ミカヅチのバカッ!!死ねっ!」
「痛っ!!」
私は構わず、ミカヅチの顔面に再びビンタをしてやろうと右手を振り上げた。
しかしあっけなくその手首を掴まれ、私はミカヅチを睨み上げた。
「なんだよ、キレてんじゃねえよ」
ミカヅチの背景は見慣れた空間で、私はすぐに現在に戻ってきたことを理解した。
「さすがは白鷺だぜ」
ミカヅチの手には私が持ち帰った剣が握られていて、
「でかしたな、柚菜」
なにが、『でかしたな』だ。
私はムカつきながらも、白鷺が作ってくれた剣をマジマジと見つめた。
あの時は部屋が暗かったし別れが悲しかったしで、まだじっくり見ていなかったのだ。
これって……!
明らかに鋳造じゃない。
この剣は……鍛練してある。
けど日本刀みたいに反りはなく、片刃じゃない。
剣の製法に多い鋳造品じゃなく、日本刀と同じような作り方だと思われるのに、直刀で、反りがなく両刃。