白鷺の剣~ハクロノツルギ~
◇◇◇◇◇◇◇
「よう来たな、柚菜ちゃん!上がり上がり!」
鳥居をくぐる前に一礼していた私とお祖父ちゃんを見付けた六道さんは、大きな身体を揺らして小走りで近付いてきた。
「早よ入り!本殿へGOやで!」
……GOって……。
白い紋の入った、これまた神々しく白光りした袴を着た六道さんは物凄いオーラがあって、『本殿へGOやで!』を突っ込む勇気が私にはなかった。
後で聞いたところによると六道さんは宮司の中でも最高位とされる宮司さんの一人だそうな。
だから剣の箱を開けた時、一瞬眉を寄せたのかも知れない。
「これ……えらいハイレベルやな!前見たヤツと一緒か?!前見た時はもっとショボかったけど剣の中に、凄まじい力がこもってたように感じたけどなあ。今はそんなもんが微塵もないわ。その代わり、技術及び芸術的な観点からするとピカ一やな!」
さ、さすが六道さん!
そりゃ前に見た剣は正真正銘、本当の建御雷神(たけみかづちのかみ)が作った剣だもの。
私は冷や汗の出る思いで六道さんと白鷺の剣を交互に見つめた。
「写メするわ、六さん!なんやほんま、前見たよりずっとええヤツに見えるわ!あれ、前はたしか鋳造や思たのに……見てみ六さん、鍛練してあるで!」
「鋼を鋳造するゆーのは、昔ではあり得んから、見間違いやないか?」
もうこの会話、いつまで続くのーっ!
……早く祈祷して、本物のミカヅチの剣の封印解いてよーっ!
はやる気持ちを押さえながら私は、
「御祈祷が済んで無事奉納が終わったら呼んで。私、神社の中を探索してるから」
そう言って私は二人から離れると、社務所へと歩を進めた。
「よう来たな、柚菜ちゃん!上がり上がり!」
鳥居をくぐる前に一礼していた私とお祖父ちゃんを見付けた六道さんは、大きな身体を揺らして小走りで近付いてきた。
「早よ入り!本殿へGOやで!」
……GOって……。
白い紋の入った、これまた神々しく白光りした袴を着た六道さんは物凄いオーラがあって、『本殿へGOやで!』を突っ込む勇気が私にはなかった。
後で聞いたところによると六道さんは宮司の中でも最高位とされる宮司さんの一人だそうな。
だから剣の箱を開けた時、一瞬眉を寄せたのかも知れない。
「これ……えらいハイレベルやな!前見たヤツと一緒か?!前見た時はもっとショボかったけど剣の中に、凄まじい力がこもってたように感じたけどなあ。今はそんなもんが微塵もないわ。その代わり、技術及び芸術的な観点からするとピカ一やな!」
さ、さすが六道さん!
そりゃ前に見た剣は正真正銘、本当の建御雷神(たけみかづちのかみ)が作った剣だもの。
私は冷や汗の出る思いで六道さんと白鷺の剣を交互に見つめた。
「写メするわ、六さん!なんやほんま、前見たよりずっとええヤツに見えるわ!あれ、前はたしか鋳造や思たのに……見てみ六さん、鍛練してあるで!」
「鋼を鋳造するゆーのは、昔ではあり得んから、見間違いやないか?」
もうこの会話、いつまで続くのーっ!
……早く祈祷して、本物のミカヅチの剣の封印解いてよーっ!
はやる気持ちを押さえながら私は、
「御祈祷が済んで無事奉納が終わったら呼んで。私、神社の中を探索してるから」
そう言って私は二人から離れると、社務所へと歩を進めた。