白鷺の剣~ハクロノツルギ~
◇◇◇◇◇◇
夕方。
私が泊まっている実家の部屋で、レースのカーテンから射し込む西陽を身体に受けながら、ミカヅチが文句を言った。
「おせーんだよっ!」
「そんなのあの二人に言ってよっ!」
私だってグッタリだ。
祈祷が始まるまでが、長かったのなんのって!
お祖父ちゃんと六さんじゃなけりゃひっぱたいてるかも知れないわ。
いや、嘘だけど。
「まあ、いい。これで自由に動けるぜ」
ミカヅチはニヤリと不敵な笑みを浮かべて私を斜めから見下ろすと、バキバキと首を鳴らした。
美しいミカヅチの顔が生き生きと輝いている。
「良かったわね、感謝してよね」
私が見上げると、彼はフッと笑った。
「ああ、感謝してるぜ」
「じゃあね」
「おい待てよ、愛想のねぇ女だな」
「ひとりになりたいの」
私はポツンと呟くと、部屋から出ようとした。
「待てって」
「なに?」
「お前、俺が言った言葉忘れたのかよ」
「は?」
何だっけ。
夕方。
私が泊まっている実家の部屋で、レースのカーテンから射し込む西陽を身体に受けながら、ミカヅチが文句を言った。
「おせーんだよっ!」
「そんなのあの二人に言ってよっ!」
私だってグッタリだ。
祈祷が始まるまでが、長かったのなんのって!
お祖父ちゃんと六さんじゃなけりゃひっぱたいてるかも知れないわ。
いや、嘘だけど。
「まあ、いい。これで自由に動けるぜ」
ミカヅチはニヤリと不敵な笑みを浮かべて私を斜めから見下ろすと、バキバキと首を鳴らした。
美しいミカヅチの顔が生き生きと輝いている。
「良かったわね、感謝してよね」
私が見上げると、彼はフッと笑った。
「ああ、感謝してるぜ」
「じゃあね」
「おい待てよ、愛想のねぇ女だな」
「ひとりになりたいの」
私はポツンと呟くと、部屋から出ようとした。
「待てって」
「なに?」
「お前、俺が言った言葉忘れたのかよ」
「は?」
何だっけ。