やる気なしの王子とクール執事の日常
「うわっ……いきなり何すんだよ、ミーケ!!」
「うるせぇ、黙ってろ」
「や、やめろぉぉお……!!」
「フフッ……あはははっ!」
ミーケは、ルト王子の部屋に向かうと
ルト王子が大事にしていた、お気に入りの漫画を手に取ると
ポケットからマッチを取り出し、漫画を燃やし始めた
「マリアちゃーーん!!
俺のマリアちゃんがぁぁあ!!」
マリアちゃんとは、その漫画に出てくる
美少女ヒロインのことだ
ルト王子は、そのマリアちゃんに一目惚れして漫画を買ったというのに
ミーケに燃やされてしまった
「ま、マリアちゃん……
マリアちゃんがぁぁあ……」
燃えた本の残骸をルト王子は、愛しそうに抱きしめて泣いていた
「はぁ………
癒された」
「何が癒されただ!!
お、俺のマリアちゃんを……
こんな姿にしといて…
ああ……ま、マリアちゃん…っ!」
ミーケは、溜まっていたストレスを
ルト王子にぶつけることで発散していた
「この野郎!!
今日という今日は許さねぇぞ!!
カナちゃん、トモちゃん、エミちゃん
シホちゃん、ユイちゃんの仇…っ!!」
ルト王子のお気に入りのヒロインは
ことごとく、ミーケに壊されたり燃やされたりした
ルト王子も壊されたり燃やされたりするたびミーケに殴りかかったが………
「痛い…っ!や、やめて…っ!」
「うぜぇ、俺に勝てると思ってんのか?」
逆に返り討ちにされてしまっていた
「ま、マリアちゃん……っ!
グスっ…
君を守れなくて、ゴメンよぉぉお…っ!」
「はぁ……だいぶ癒されたな
糞王子。部屋はきちんと片付けておくべきですよ?
では……」
「うわぁぁあ……っ!
ま、マリアちゃん……っ!」
ミーケは、ルト王子のお気に入りを燃やしストレス発散して、また仕事に戻った