そこにいた
帰りは武田先生の車に乗った。
「今日はお疲れさん。
疲れたでしょ。」
「はい。
いろいろと動いて疲れたっていうよりも、熱が下がらなかったらとか、もっと悪化しちゃったらどうしよう、とか思って疲れました。
でも良くなってきたみたいで、本当に良かったです。」
「各務先生が言ってたよ。
綾ちゃんの看病は、完璧だったって。
看護師さんみたいだったって。」
「そ、そんな。言い過ぎ。」
「綾ちゃんは、将来何になりたいの?看護師さんもいいんじゃない?」
そんなこと、考えたことなかったな。
だって、病気が治ると思ってな買ったし。
高校にもほとんど行かなかったし。
現に今も卒業前なのに、ほとんど行っていない。
テストで単位をとってるだけ。