そこにいた
「うーん。
将来って言われて、もうすぐ高校卒業なのに。
何も考えてなぃ・・・・・・です。」
「そうなの!?
もったいない。」
運転しながらたまに私の顔を見て話す武田先生。
「これを機会にしっかり考えてみたら?」
「はい・・・・・・。」
正直、気が進まなかった。
心のどこかで、社会に出ていくのが怖いと思っている。
今まで病院にこもりっきりだったから。
会ってもお母さんか、病院のお医者さんか看護師さん。
ただ、このままではいけないことは分かってる。
いつまでも親に頼ってばかりじゃダメだって。
でも、怖い。