そこにいた
大切な時期に
「こんばんはぁ~。」
そういいながら、私の開けた玄関扉から入って来たのは、亮先生。
「こんばんは、亮先生!」
「この間はありがとうね。」
亮先生とは、寝込んでた時から会ってないから、今ではあのときの姿が嘘みたいに元気になってる。
先生はいつもの笑顔を私に向けてくる。
久しぶり過ぎて、先生の笑顔に胸が高鳴る。
「い、いえ・・・・・・。」
モゴモゴと返事をする私の顔を覗く先生。
「あれ?どこか悪い?」
心配しながらも、医者の眼差しになる先生に、再び顔が赤らんだ。
「あら、各務先生。いらっしゃい!」
後ろからお母さん。
助かった~。
私は慌ててお母さんの方を振り返り、リビングに向かった。