そこにいた
ヒャッ!?
目を瞑って、頭痛が過ぎ去るのを待っていたところに、突然冷たいものが覆いかぶさった。
ん?冷たいタオル?
手でどかしながら目を開けると、
目の前に亮先生が立っている。
「ほらぁ。頭、痛いんでしょ?
眉間にシワが寄ってる。」
私のズラしたタオルを治しながら、眉間をツンツンしてくる。
「ずっと黙ってないで…痛いところがあったら言いなさい。
ナースコールを使いなさい。」
頭の上に置かれたナースコールを、私の手元に置いてくれる。
ナースコールって押しにくい。
ただでさえ、看護師さんはバタバタしてるのに。
それに、重症な患者さんが必要な時に使うもの……だと思うし。
「薬を入れてから結構な時間が経つし、そろそろ薬が切れてくるし、熱が上がってきてもいいころなのに…。
なかなかナースコールしないから心配で来たよ。」
そんな……我慢してた訳じゃないのに。
たった今、頭が痛いことに気づいただけ…。