君とベッドで秘密事。
1

颯真




大学には行くつもりはなかった。そもそも頭も良くなかったし、経済的にも進学は無理だった。


手に職を、ということで工業高校に入学をし無事卒業して自動車整備工場に就職をした。職場環境は良好だし、給料も良い。貯金をして、数年前にボロアパートからまあまあなマンションに引っ越すことも出来た。


その分、食費だったりを切り詰めたりしたけれども。


今の生活には、文句はない。強いていうなら、


~♪


"きた……"



ワンコールで切れたスマートフォン。それを合図に玄関に向かう。チェーンを外して、鍵を開ける。



ドアを開けば、


「……こんばんは」




――――その言葉を挨拶に、今日も秘密事が始まる。



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