君とベッドで秘密事。
「お前が行動するしかないんじゃないか」
大好物のチャーシューが無くなり、心なしかしょんぼりとしながらラーメンを食べてる慎が言った。
「家に来て泊まってたりもするんだろ?その子も颯真のことを良く思ってなきゃそういうことしないだろ」
「………そうなのかもしれないけど」
レナは、俺のことをただの泊めてくれるおっさんじゃないかと思っているんじゃないかと。ただ居心地が良くなついているだけなんじゃないかと。
俺のことを恋愛対象だとは思っていないはずだ。
「なんか笑える」
「は?」
「なんつーかさ、颯真って取っつきにくい感じだったじゃん。高校の時なんて特に。一匹狼っつうかさ。話し掛ければ相手をしてくれるけど自分からは交わろうとしなかった」
確かに、慎の言う通りだ。俺は、今まで積極的に人と関わろうとしてこなかった。自分から人の輪に入って面倒事に巻き込まれるのも御免だし、そもそも一人でいた方が何かと楽に思えた。
そのせいか周りからは、怖いという印象を持たれヤンキーをぶん殴って病院送りにしたとかありもしない噂を流されたりした。
孤高の雰囲気が好まれるのか、いつの間にか勝手に女が寄ってくるようになり、よく分からない不良たちにも一目置かれるようになった。