君とベッドで秘密事。
颯真
それは突然だった。
「颯真って何で整備士になったの?」
一緒にベッドに入り、俺に抱きついてきたレナ。ああ、ここでキスしたらどうなるんだろう、そのままこの柔らかい身体を触って中をぐちゃぐちゃにしたいだとか卑猥なことを考えていた俺。
が、それを実際にするのはまた別な話。こいつが安心しきって俺になついている今、欲に負けてそんなことをすれば、就寝前のリラックスした雰囲気が悪い方向に進むのは目に見えてる。
己の欲望を抑え、あやすようにレナの背中を優しくポンポンと叩いていればそんな質問が飛んだ。
「ってか、俺が整備士って言ったっけ?」
「え、違うの?」
「いや、そうだけど」
「洗濯物干してたの見たから」
合点が行く。ベランダに干していた作業着を見たんだろう。左胸に勤めている会社名の刺繍がされている。
というか、よく見ているなと思う。俺のことなんて興味がないのかと思っていた。しかし、何故今の仕事に就いたか訊いてくるなんて急にどうしたのか。
俺が不思議がっているのが分かったのか、レナは静かに話始めた。
「働こうかなって考えていて…」