君とベッドで秘密事。



「働く?」


「高校卒業したら働こうかなって思って」


"高校を卒業して働く" 何もおかしくはない。高校生が選ぶ進路の1つで、現に俺もそれを選択した。


けど、レナは今まで自分のことなんて一つも話さなかったから。むしろレナという名前しか知らなかった。何を訊いても答えてくれなかった。


年齢は何となく分かっていたけど、高校生だとは知らなかったし微塵も感じさせなかった。フリーターとかそういうものだと思っていたところもある。


でも、こういう風にふとした時に自分のことを話始めたということは何かしらの心境の変化や悩みがあるからで。レナも大多数と同じく"進路に悩む高校生"なんだと初めて実感した瞬間だった。



「俺は、元々就職しようと思ってたから」



「そうなの?」


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